1年位前の話ですが、ある中古戸建住宅の住宅検査の依頼を頂きました。その時、床下・屋根裏詳細調査の依頼も同時に頂きました。13時過ぎに来てほしいと言われたので、現場に到着すると、買主様の奥様、及びご両親、不動産業者2名（売主側と買主側それぞれの業者）の方が待っておられました。検査する戸建ては空家でした。早速、現地で検査を行いました。僕自身、住宅の検査の場合、基本的には、家の外回り→家の各部屋及びバルコニー→屋根裏→設備機器の検査→床下という順番で行っております。検査していると、あるシロアリ業者さんが来られました。床下のシロアリ検査をするとのことです。それ自体は、時々あることなので、問題はないのですが・・・。そのシロアリ業者さんが床下に潜った後、どうでしたかと確認するとシロアリは問題ないですよ！と言っておられました。その後、僕自身も、床下の詳細調査を行わさせて頂きましたが、シロアリに関しての問題はありませんでした。後日、報告書をお客様に送付させて頂いた後、お客様から質問を受けました。シロアリ業者が、防蟻工事をした方が良いと言ってきている。業者の報告書を送付するので、確認してくれないか？と言われましたので、メールにて送付して頂き確認すると・・・。途中で訪問してきた業者の名前ではないのです。エっ！と思ってお客様にお聞きすると、実は、もう1社、検査当日の午前中に不動産会社からの紹介のシロアリ業者に床下の確認をしてもらったとのことでした。そこが、木材の土台が濡れて腐朽しているので、防蟻工事をした方が良いという報告書と見積書を出してきたとのことです。添付している写真を見ると、明らかに現地の床下ではない写真でした。シロアリ業者が工事を受注するためにでっち上げた報告書でした。もちろん、お客様はその業者の工事はされなかったと思いますが・・・。それにしても、3社にシロアリの点検させる凄く用心深いお客様がいるとは、ちょっと驚きましたし、悪徳シロアリ業者の手口にもびっくりしました。ちなみに、建物検査を同時に2社でしたことは、一度だけあります。また、過去に別の業者が建物検査した物件を検査することは多々ありますので、何とも思わないですが、さすがに1日で3社とは、・・・・。でも、中古住宅を購入する時、安心を買うために、それ位用心深くして、購入するのが良いのかもしれません。
