何か月か前に、買主様の依頼により中古一戸建て検査サービスを行った時のお話です。その住宅は、大手ハウスメーカーが施工された築38年位の物件でした。
床下点検口を探している時、売主様が床下点検口の上に、冷蔵庫を置いているので、そのため、自分でリビングの床を開口して点検口を新たに作ったんだ!と自慢げに話をされました。また、増築もされていたのですが、本来の構造は軽量鉄骨です。但し、増築部分は、木造でした。増築は、近くの工務店に頼んだとのことでした。
買主様は、50年住むつもりで、購入される予定です。そのため、築38年の物件なため、いずれ、構造的に大きな問題がでてくる可能性があります。その時、耐震補強や構造補強をしなければいけないと思いますが、大手ハウスメーカーの軽量鉄骨の場合、基本的には、その建てられた大手ハウスメーカーでしか、構造補強や耐震補強ができません。なぜなら、大手ハウスメーカーが開発した、特殊工法になりますので、その詳しいデーターを大手ハウスメーカーが他社に一切公表しておりません。そのため、ほとんどの工務店様や設計事務所では、対応するのが、難しい状況になっております。簡単なリフォームとかはどこで行われても問題ありませんが、大幅な間取り変更や構造に関するリフォーム、耐震補強などの工事は、建てた大手ハウスメーカーでしかできないのが現状です。
但し、今回の検査させていただいた住宅の場合、増築を一般工務店でされています。そのため、もし、買主様が間取り変更を伴う大規模リフォームをハウスメーカーに頼まれたとしても、ハウスメーカー側では、恐らく対応されないと思います。なぜなら、すでに一般工務店にて増築されているので、大手ハウスメーカーは、構造的に責任を負えないからです。また、リビングの床の開口を売主様が勝手に開けられていることも、大手ハウスメーカーにとっては問題になります。ですので、もし、構造的な問題が出てきた時は、建て替えが現実的な選択になります。
という以上のことを買主様にお伝えさせて頂きました。